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改訂 1997/12/8
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銀幕のいぶし銀・第46回


『ミッション・インポッシブル』


('96/アメリカ)


監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:トム・クルーズ、エマニュエル・ベアール、ジョン・ボイト、ジャン・レノ

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 この夏映画の話題を独占した感のある『ミッション:インポッシブル2』であるが、このシリーズはもともと、60年代〜70年代に日米で大ヒットしたテレビシリーズ「スパイ大作戦」をリメイクしたものである。


 トム・クルーズが初めてプロデューサーとして選んだ企画だったのだが、当初は周囲の大反対にあったという。そこを押しきって映画化したところ大ヒットを記録したのだから興行は面白いのであるが、既に多くの人が指摘しているように『ミッション・インポッシブル』は必ずしもテレビの「スパイ大作戦」を正統的に受け継いでいるわけではない。


 元になった「スパイ大作戦」は、アメリカ側のスパイという設定の5人の男女が、頭脳戦で敵を陥れるのが毎回のテーマであり、ひそかに敵側に侵入しては少しずつ罠を張り巡らせていくことで、敵組織を内部分裂に導き壊滅するのである。決して派手なアクションがあるわけではなく、武器や暴力など使わないが、最終的に全ての仕掛けが見事にかみ合う爽快さが人気の秘密だったのである。その独特のシンプルなストーリーテリングは、ある種の映画のドラマツルギーのもっとも成熟した形であった事は間違いない。


 それから30年近い年月が経った映画化では、登場人物などの大まかな設定・テーマ曲・決まり文句こそテレビを引き継いでいるものの、東西冷戦構造が崩壊したことを踏まえ物語は大胆に改変され、アクションを前面に押し出したエンターテイメント性の高いものになっている。リメイクとはいいながらオリジナルに引きずられることなく、むしろオリジナルのもつ長所をいい形にアレンジした出来栄えであるといえよう。ある意味リメイク映画の醍醐味はこういう点にあるのであり、当然ながら30年も経てば映画も変化しお客も変化するのだから、リメイク映画はむしろ、映画を取り巻く外部環境の変化を如実に反映しているところこそが面白いのである。


 さらにこの映画がエポックメイキングなのは、リメイクというジャンルを今現在のアメリカ映画に確定させたところであり、副次的には俳優のプロデューサー業進出に道を開いたところである。リメイク映画の製作がますます増加し続けているのは承知の通りであるが、これは単純に企画の枯渇化ではなく、新たな映画制作の手段として認知されるべきなのである。




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