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改訂 1997/12/8
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銀幕のいぶし銀・第114回

『ニュー・ワールド』

(2005年・アメリカ・136分)

監督:テレンス・マリック
出演:コリン・ファレル、クリスチャン・ベール、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー

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 『天国の日々』で一躍世界的映画作家の仲間入りをしたT・マリックの、『シン・レッド・ライン』に続く7年ぶりの新作は、新大陸の入植者ジョン・スミスとネイティブ・アメリカン・ポカホンタスの恋愛を壮大なスケールで描く物語である。アメリカ人にとっては最も有名な伝説的物語とのことで、過去にも映画やディズニーアニメになっている題材に、T・マリックは膨大なリサーチを積み重ねリアリズムを追求していきながら独自の解釈を加えていく。その結果、リアルでありながらも美しい映像に圧倒的な詩情を湛えた独特の世界が構築されているのである。


 17世紀初頭、新大陸を求めてイギリスから流れ着いた船が北アメリカのヴァージニアに流れ着いた。豊かな大地で富を得るはずの入植者たちに待っていたのは、餓えと寒波の地獄絵図であった。苦境を乗り越えるため、反逆罪で裁かれるはずだったジョン・スミス(C・ファレル)が解放され、ネイティブ・アメリカンとの交渉役を任される。王様に会いに行くため川をさかのぼるも逆に道に迷い、ネイティブ・アメリカンたちに捕まったスミスは、王に処刑されそうになるところを、心優しい末娘・ポカホンタス(Q・キルヒャー)に命を救われることになる。愛らしく美しいポカホンタスに心奪われるスミス。海の向こうの世界に強い興味のあるポカホンタスも、スミスに心引かれるようになる。悪意や裏切りなどあり得ない誠実なネイティブ・アメリカンの部族はスミスの正直な心にすぐ馴染み、聡明なポカホンタスは英語も少しずつマスターしていく。こうして夢のような安らかな毎日がつづくが、春になって王はスミスに入植地に戻るよう命ずる。入植地の現実は伝染病と悪意に満ちた酷いものであったが、スミスは新たに入植地のリーダーとなり、人々を導いていこうとする。


 ここまででもまだ物語の序盤で、二人の波瀾万丈な物語はまだまだ続いていくのであるが、この緻密で膨大な話を2時間強の時間に収めるために編集で随分圧縮した印象があるのがこの映画の気になる点なのである。というのは、アメリカ映画においては編集の最終決定権はプロデューサーにあるのであり、監督の当初の意図と関係なく冗長と判断されれば容赦なく編集されていくのがアメリカ流の映画制作なのである。この映画を監督の狙いどおり描けば優に4時間にはなるだろうと想像されるが、同じようなことが『天国の日々』の時も起こっているだけに、映画作家T・マリックとアメリカンメジャースタジオの相性がまたここでつまびらかにされる事になるのである。主演のコリン・ファレルは、恐らく今までで最も素晴らしい演技を披露しているし、新人クオリアンカ・キルヒャーの若々しい魅力もいいだけに、ここは是非ともディレクターズカット版の公開を望みたいところである





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